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韓国人のビジネスマンが誘拐され殺害された事件が、今、大きなニュースになっている。Santa Isabel と数名の警察官が10月の18日に韓国人のビジネスマンJee Ick Jooの自宅を訪問して麻薬取引の疑いがあるとして、彼を逮捕した。そして、次の日には彼の首を絞めて殺したのである。彼の死骸はすぐに火葬されて、その灰はトイレで流された。

ビジネスマンはすぐに殺されたが、彼らは妻に身代金を要求したのである。妻は最初はお金を支払ったが、二回の要求には「夫と会話して生存していることが確認できなければ払えない」と拒否したのである。

問題は彼の犯行の場が、警察本部(PNP)の近くで行われたことである。これは警察本部長のBato の権威を失墜させる事件でもあった。Bato はドゥテルテ大統領とスクラムを組んで、現在、犯罪者の撲滅(麻薬販売人の殺害)を推進している中心人物なのである。

下院議長のPantaleon Alvarez はBato の辞任を要求したのであるが、Bato は任命権者である大統領以外からの辞任要求には応じないと反応している。

韓国人の殺害が最近はよく聞かれる。韓国人は金を持っているというイメージがある、犯罪の犠牲になることが増えた。今度の事件は、フィリピンの韓国人コミュニティにも大きなショックとなった。

下の写真はサンタ・イサベル(Santa Isabel)が連行される姿である。彼は写真中央でpullis (フィリピン語でpoliceの意味)と書かれた防弾ベストを着てヘルメットをかぶっている。

警察官の腐敗は長いことフィリピンの特徴であった。スピード違反でとめられた時でも、免許証を提示する時に、お札を挟むと、警官は何気ない顔をして、「今度から気をつけろよ」と言って免許証を返してくれる。そのままおとがめなしだ。お札は当然無くなっている。

警察の腐敗は一夜では直らない。ドゥテルテ大統領になってから急速に腐敗の浄化が進んでいるが、やはり時間がかかるようだ。

Santa Isabelは自分の背後に大物がいると述べている。その人物のことを暴露するので、自分を無罪放免 (immunity)してほしいと要求したのである。Bato は激怒して、immunity を与えることを拒否している。

フィリピンは死刑が廃止された国であったが、死刑復活に向けて法案の提出が進められている。死刑復活したら、Santa Isabel  は死刑執行される可能性が高いのである。