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フィリピンで5月13日に選挙が行われた。この日は月曜日であるが、国民が選挙に参加できるようにと臨時に休日となった。さて、その結果であるが、18日現在で大勢は決まったが、まだ最終結果は出ていない。このあたり翌日には結果が全て出てしまう日本と比べると遅いようだ。
フィリピンでは電子投票である。投票は人々はSmartmatic という機械を用いる。これはベネズエラで開発された機械であり、フィリピンでは前アキノ政権の時に、導入されたのである。フィリピンでは従来からの投票紙に書き込んで箱に入れる方法では不正が絶えないとの反省で、このSmartmatic という機械を用いるようになったのである。ATMのように投票紙を機会に入れると受け取り紙が出てくる。

この機械は従来の選挙につきものの不正や不正確さを是正する機械として注目されたが、どうもかなり問題があるようだ。ある知人からの報告では、今回の投票で、投票しようと投票所に行ったが、機械が受け付けてくれなかったそうだ。また、ある人は投票した人と受け取り表に出てきた名前が異なっていたそうだ。
このSmartmatic はソフトを書き換えることで不正ができるのでは、と以前から指摘されていた。ベネズエラのような後進国(Banana Republic)で開発された機械をなぜ使うのかと揶揄する人も多い。
今回の選挙では、グレンチョ(Glenn Chong)氏が自分は管理委員会から金銭の支払うことで票数を増やすことができるという申し出を受けたと暴露している。このグレンチョは上院選挙に出馬したがどうやら落選のようだ。
選挙をつかさどるのは選挙管理委員会 Commission on Elections : Comelec)だが、この委員会は信頼できないという噂がある。2016年の選挙の時には、副大統領の選挙に関しては、事前調査ではボンボン・マルコスが優位と伝えられていたが、実際の投票では、自由党が支持するレニー・レブラドが選ばれた。
選挙管理委員会は当時の政権党であった自由党が牛耳っていたので、ここで不正が行われたと噂されていた。しかし、大統領の選挙に関しては、ドゥテルテが圧倒的な人気があったので、さすがに、ここに関しては不正できなかったと言われている。
24名の上院議員の半数が改選されるが現状ではドゥテルテ派が有利である。自由党は前大統領の甥も落選のようだ。
元大統領のエストラダはドゥテルテ派に属するが、今回の選挙はかなりの打撃だった。彼自身はマニラの市長選で落選して、2人の息子とも上院選でも落選して、2人の孫娘は下院選挙、市長選挙で落選徹底とのこと、何もいいことはなかった。エストラダは気落ちして毎日酒を飲んでいるそうだ。
さて、ドゥテルテ派が優勢であり、彼の長女はダバオ市長、長男は下院議員、次男はダバオの副市長として選ばれた。全体として、ドゥテルテ支持派が勢いをつけたのであり、彼の政権運営方法が支持されていると言えるだろう。