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ドウテルテの3回目の施政方針演説(the third State of the Nation Address =SONA)が行われた。予定よりも遅れて演説は始まった。その直前に、下院議長の地位は、Pantaleon Alvarez 議員から奪われて、元大統領のGloria Macapagal-Arroyoへと移る騒ぎがあったのである。そのために遅れたのである。

Pantaleon Alvarez 議員は自由党寄りであり、大統領の今後の政策に反対するだろうと予想されたので、このように突然、下院議長の解任というクーデタが起こったのである。

私自身は、元大統領のアロヨが再び政治の表舞台に登場するとは予想していなかったので、ちょっとした驚きである。彼女は前大統領のアキノの時代には汚職による訴追の対象となり、本人は病院に入院したりしてなりを潜めていたが、カムバックである。

対照的にアキノ前大統領は公式の場にはほとんど出ない。例外的に、先日は、上院の公聴会に予防接種の不正に関する参考人と呼び出されて議員たちから質問されていた。

https://news.abs-cbn.com/news/07/25/18/alang-alang-sa-bayan-ousted-alvarez-recognizes-arroyo-as-new-speaker

ところで、写真を見ると、アロヨ元大統領も老けたな、という印象である。以前は年齢よりも若く見えたが、現在は年相応の姿になっている。

さて、ドウテルテ大統領の演説の中で、最も大事な点は、ミンダナオ島でのイスラム教徒の自治政府樹立に向けた「バンサモロ基本法」である。この法に近く署名して、成立させる意向を示したことである。長年、フィリピンを苦しめてきたキリスト教徒とイスラム教徒の対立に終止符を打ち、連邦制度の下に新しく国を動かそうという決意表明である。

ドウテルテ大統領は共産主義者との和平も試みているが、これはまだ上手くは進んでいない。

さて、庶民の間での大統領の評価は極めて高い。大統領は今までのフィリピンでは見られなかった型破りであることは間違いない。それゆえに既成の政治家たち(自民党)からは、強い抵抗を受けているが、それを一歩一歩、はねのけて進む姿は驚異的である。