スポンサーリンク


現在評判になっているのは、3名の学生がフィリピンのスラム街に行って、その暮らしを肌で感じたい、という企画だ。クラウドファンディングという企画で、そのスポンサーを募っている。彼らのサイトのリンク先(camp-fire.jp/projects/view/77735)を、ここに貼っていたが、現在ではこのページは削除されている。あまりにネガティブな反響が大きかったので、削除したと思われる。

三人の学生の挑戦?

近畿大学の3名の学生がフィリピンのスラム街に行って(1)子供達に元気を与えること、(2)写真を取ってきて紹介すること、の二つを行うそうだ。彼ら自身の説明を下に引用する。

そして、今回の旅でやりたいことが二つあります。それは、スラム街の子供達と会話をしたり遊びで交流し、子供たちに夢を与えることです!スラム街にはたくさんの子供がいます。子供達は、外部の人との交流が少なく遊びも限られ毎日単調な日々を過ごしています。僕たちに、夢を探すきっかけをつくってくれた社長さんのように、今度は、僕たちがスラム街の子供達に夢を与えるきっかけになりたい!と思いました。そのため、子供達に日本語や日本の遊びを教えたり、フィリピンの遊びを一緒に行うなどでスラム街の子供達に生きる楽しさと将来への希望を与えたいです!!

もう一つは、その活動を映像にし皆さんに届けることです!今は、映像製作もろくにできません。ですが、今回の企画をきっかけに映像作成を勉強して、すごい!!と思われるぐらいの映像を作り、今後の活動に活かしたいと思っています!僕たちの成長過程を暖かく見守っていただけると幸いです。

スラム街の子供達と会話をしたり、遊びで交流する、と言っているが、英語で交流するのだろうか。スラム街の子供達は、英語はできないので、フィリピノ語(タガログ語)で交流することになるが、大丈夫だろうか。

「貧しいけれども、目は輝いている」というような形容がスラムの子供達に対して行われるが、最低限の生活を送っていると、目はもう輝かない。大人も含めて子供達の唯一の楽しみは麻薬になってしまう。麻薬に手を染めると人格が変わってしまう。麻薬を手に入れるためにならば、極端に言えば、平気で人殺しをするようになるのである。だからこそ、ドゥテルテ大統領は麻薬関係者は殺害するしかないと判断したのだ。

三人の若者たちは映像をとって来るというが、スラム街に入って写真をたくさん撮るのは危険である。一人でゆくよりは、三人でゆくのだから、ちょっと安全かもしれない。ただ、現地の有力者の紹介か何か、警察の紹介で訪問することがいいだろう。

私自身は2回ほどスラムを訪問したことがある。第一回目は教会関係者の紹介で訪問した。大きなガス管が敷設されている立ち入り禁止の地域の上に、不法に住み着いた人のスラムがあった。この時は10名以上で訪問した。教会関係者とスラムの有力者が昵懇で私たちの安全は保証されていた。この時はカメラで何枚か写真を撮った。

二回目の時は、一人で、そして普通の格好をして、ジーンズにTシャツで中に入って行った。早足で中を見てみた。やはり緊張した。ただ、誰も私の存在には気をとめなかった。中国系のフィリピン人だと思われたのだろう。何も持たずに手ぶらで歩いたのだ。カメラを持ち込んで、その辺りをパチパチ写真を撮る度胸はなかった。

私が行ったスラムはスラムの中でも、比較的まともな方であった。だが、最低限の生活をしている人々の住むスラム街は流石に恐ろしくて中に入れない。現地の警察官でもためらうのではないか。

三人の若者たちがマニラのスラム街に行って子供達に勇気を与えるという意図は立派だ。ただ、最悪のことが起こるといけないので、現地の警察署や宗教団体と相談してアドバイスをもらうのがいいのではと思う。

スラム街を選ぶとしても、比較的に穏やかな、普通の住宅街に生活水準が近いスラム街を選べばと思う。それでも、3人の若者たちに取って、勉強になることはたくさんあると思う。