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ドゥテルテが日本に来た。外相との会談があり、その夕食会では機嫌がよくて、日本に対して友好的な態度を示したと報じられている。

ただ、彼はアメリカは嫌いなようで、在日のフィリピン人による歓迎会の場では、アメリカの悪口を言ったようだ。報道では「暴言を吐いた」と伝えられている。彼がどうしてアメリカをそんなに嫌っているののか考えてみた。

むかし、私はマッカーサー将軍(Douglas MacArthur)の父親(Arthur MacArthur Jr.)の伝記、Young, Kenneth Ray (1994). The General’s General: The Life and Times of Arthur MacArthur という本を読んだことがある。帝国主義時代のアメリカの象徴のような将軍でインディアン狩りをして、彼らを住処から追い払い、殺戮と弾圧をしたのだ。そして、次にアメリカはスペインに戦争を仕掛ける。当時フィリピンはスペインの植民地であったが、マッカーサーの父親は独立を願うフィリピン人と一緒になってスペインに勝利する。スペインに対して勝利すると、フィリピンには独立を認めず、自らの植民地にしようとする。フィリピンとアメリカの戦争が始まったのだ。これまた殺戮と弾圧でマッカーサーの父親はフィリピンの独立運動を根絶やしにする。

伝記を読んでいると、アメリカの荒っぽい外交と戦争に驚いてしまう。今から120年前のアメリカは大変な暴れ者だったのだ。ハワイ王国を滅ぼしてアメリカに併合するし、コロンビアに内政干渉してパナマ地域を独立させてパナマ運河を租借する。メキシコからテキサスを奪い取る。今の中国のふるまいなどがかわいく見えるほどだ。

欧米先進国は、イギリス、フランス、アメリカなどは世界分割に早くから参加して広い土地を得た。いったん世界支配の頂点に立つと、突然、平和を唱え始めて、これ以上の世界分割は秩序を乱すものとして強く反対したのだ。そして戦争に勝ったイギリスやフランスやアメリカがいつの間にやら正義の代表者になった。そして、平和を呼びかける。奪い取った土地は元の所有者に返すことはしない。平和と正義を振り回すことで、遅れてきた者たちが世界分割をすることを牽制したのだ。

そんな歴史を知っているので、ドゥテルテはアメリカの振り回す正義や人権主義をおかしなもの、身勝手なもの、と考えているのだ。アメリカは自分の持っている正義というカードを最大限利用して、有利に外交という勝負をしようとする。ドゥテルテはアメリカの示すカードには惑わされないぞ、と警戒しているように思える。

Arthur MacArthur Jr. (wikipediaより)
Arthur MacArthur Jr. (wikipediaより)
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