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2015-08-08

村井吉敬『エビと日本人(2)』(岩波新書)を読んでみた。日本人が大量にエビを輸入することで東南アジアの国々の自然破壊に繋がっている姿を豊富なデータで示している。

昔はマングローブの森は自然の幸に恵まれた動植物の宝庫であった。ところが、日本から業者がやってきてエビの購入を始めると、インドネシアの人々はマングローブの木を伐採して養殖場に変えてしまった。大量の餌、成長促進剤、抗生物質なども与えるのであろう。そのような資本主義体制にがっちりと組み入れられた現地の人々にとって、日本がたくさんのエビを買い付けることの意味は何であろうか、と問いかけている。

フィリピンではバナナの栽培が盛んである。またネグロス島では、砂糖のプランテーションが有名である。これらのモノカルチャーに頼った生活は、生産物の国際価格の変動に影響を受けやすい。値段が下がれば人々の生活を直撃する。

雨季になるとフィリピンの各地で土砂崩れが起こる。裸の山々が多くなっている。森林が伐採されたあとは、植林はあまり行われないようだ。これらの木を日本に輸出しているから、自然災害が起こるのだとフィリピン人から説明されたことがある。

日本では、安い外材が入ってくるので、日本の山々では木が売れなくて困っているという話を何回も聞いた。山を手入れをする人がいなくなっている。森林労働者は高齢化して、枝下ろし、草刈り、植林などの地味な仕事をする人も減ったきた。日本の森林も問題が多い、これもグローバリゼーションに組み込まれたからであろうか。