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2015-02-12

現在のマニラでの最大のニュースは、先月の25日に、フィリピン南部ミンダナオ島のマギンダナオ州ママサパノのMILF支配地域で、警察の特殊部隊(the Special Action Force, SAF) とイスラム武装勢力との間で銃撃戦が起き、特殊部隊側の44人が死亡した事件である。死亡した警察官の写真を見ると、全員がこれから将来のある若者たちであった。好青年たちが多かった。マニラの人を激昂させたのは、単に死んだということではなくて、殺された後、屍体が冒涜された、つまり顔が変形するくらい銃弾が撃ちこまれたり、切り刻まれたことである。

2014年、政府とモロ・イスラム解放戦線(MILF)と包括和平を締結したのであるが、その和平条約に反対する一派がいる。その一派であるバンサモロ・イスラム自由戦士(BIFF)と特殊部隊が衝突したとみられる。モロ・イスラム解放戦線(MILF)は、特殊部隊の家族に対して弔意を示したのだが、マニラの市民はイスラム教徒全体に対して非常に厳しい見方をしている。

イスラム教徒への自治権の提供も必要ないとか、アキノ大統領の辞任を求める声まで出ている。44名の若者の死が人々に与えた衝撃は計り知れない。しかし、歴史的にはミンダナオ島はイスラム教徒の島であった。そこへキリスト教徒が北から移住してきて、開墾を進めるうち、イスラム教徒のテリトリーまで侵入することになった。政治的・経済的な格差、文化的な違いがある。この衝突には長い歴史があると同時に、今世界的に起こっているイスラム社会と西洋社会の対決のフィリピン版にもなっている。双方が豊かになり、金持ち喧嘩せず、という形になれば一番いいのだが。