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2014-12-30

フィリピンでもじょじょに高齢者が増えている。ある人の例だが、彼には7人の子供がいた。一番上は女で次からはすべて男である。64歳で stroke になった。そして体の自由が利かなくなった。長女夫婦と一緒に住んでいたが、体が不自由になってから虐待が始まった。トイレで粗相をすると、長女は怒って靴で彼の頭を殴る。弟たちはそれぞれ貧乏で彼を引き取ることはできなかった。そして、2年ほど虐待を受け続けながら、66歳で他界したのである。

この国は、日本のような国民健康保険制度も年金制度も介護制度も生活保護の制度もない。すべてないのである。体が動けなくなったら、守ってくれる社会からの制度はない。子供達だけが頼りである。子供たちにすべての負担がかかる。それゆえに、たくさんの子供を持った方が安全性は高い。しかし、子供たちが親孝行とは限らない。

病院は無料のCharity Hospital があり、そこでは医学生たちが実習を兼ねて、お金を払えない貧しい人たちを見てくれる。ただし、薬代は実費で払わなければならない。日本では高血圧の薬でも3割負担で比較的廉価に手に入る。しかし、フィリピンでは、そのような基本的な薬でさえも、貧しい人たちには手に届かない価格になっている。寝たきりの高齢者への胃瘻や点滴による経管栄養の話もあまり聞かない。

日本の高齢者たちを長らく守ってくれた、国民健康保険制度・年金制度・介護制度・生活保護制度が崩れ始めている。それは高齢者の急速な増加に起因する。フィリピンのように、高齢者が無防備なままに荒波に放り出されようとしている。それを食い止める手段はあるのか。